新建築住宅設計競技2022 ビッグデータと都市─ウェルビーイングな空間デザイン─
テーマ ビッグデータと都市─ウェルビーイングな空間デザイン─
ビッグデータを活用した建築空間や都市空間のデザインを求める。今回のコンペでは、何かしらのデータを用いて、その分析結果を空間デザインに落とし込むロジックを評価する。具体的なデータがあればそれでも良いし、「こんなデータがあったらこんな使い方をしてみたい」という架空のものでも良い。どんなタイプのデータでも、どのスケールのデータでも構わないが、1.データを用いること、2.そのデータを分析する枠組みを示すこと、3.想定される分析結果を建築、もしくは都市空間のデザインに落とし込むことの3つを条件とする。
背景:
今、建築や都市の捉え方、つくり方が劇的に変わろうとしている。デジタルテクノロジーの進展がわれわれのアクティビティをかつてない粒度で測定し、これまでは建築家や都市プランナーが頭の中で想像するしかなかった人びとの振る舞いがデータによって捉えられてしまう時代に突入した。人工知能(AI)などの力を借りることによって、人の目と手だけでは見えてこなかった物事の背後にあるパターンが解明されつつあり、まさに世はビッグデータ全盛期だといえる。
その一方で、建築・都市ビッグデータやその分析がどんな都市空間を生み出すのか、どうデザインに帰結されるのかはいまだ明らかになってはいない。例えば携帯電話をトラッキングすることによる人流解析や、街中における密度分析はほぼリアルタイムで把握可能になったといえる。しかし人流がビッグデータで粒度高く解明されることと、その分析が実際の都市空間のデザインに活かされることは全く別問題だ。
また、ビッグデータというとどうしても個人にとっての最適化や、交通や下水といったインフラ整備を想像しがちだ。しかし個にとっての幸せを最大化していった結果が、社会全体のウェルビーイングに繋がるとは限らないように、データを最適化すれば良いという問題ではないのかもしれない。特に都市空間を扱うわれわれにとっては、「私」が生きる道だけでなく、さまざまな考え方を持った個が集合した近隣や地区、街が、どうすれば「良い状態」でいられるのか? 多様性豊かな社会において共創的にウェルビーイングを高めていけるような都市空間とはいったいどのようなものなのだろうかはまさに今問われるべきものだろう。
(吉村有司)
賞金
- 入選賞金数点100万円
※入選点数および賞金の配分は審査員の決定に従います。
スケジュール
- 2022年6月1日 (水)登録開始
- 2022年11月1日 (火)応募登録終了
- 2023年3月1日 (水)入選発表
応募要項
参加登録
登録は、専用WEBページ上の登録フォームから行ってください。必要事項を入力すると、e-mailで登録番号が交付されます。この登録番号は応募にあたって必要となりますので、各人で保存してください。登録番号交付後、登録内容に変更が生じた場合は再度登録を行ってください。また、複数の作品を応募する場合は、その都度登録してください。
・交付後の、登録番号に関する問合せは受け付けません。
・応募登録は当WEBページ以外からはできません。
・携帯のメールアドレスでは登録番号通知メールを受け取れない場合があります。提出物
応募作品:寸法420mm×594mm(JIS規格A2)2枚に、配置図、平面図、立面図、断面図、アクソノメトリックまたは投影図、パース、その他設計意図を説明するに必要と思われる図面や、模型写真、グラフなどの図版、設計主旨(英語または日本語で記すこと)などを各自選択して描いてください。外部リンクを埋め込むことも可能とします。
なお、設計主旨は英文250ワード以内でまとめ、12ポイント以上の大きさで応募作品内に記入してください。また、応募メール本文にも同じ設計主旨を記入して提出してください。
・ファイル形式:PDF形式
・ファイルサイズ:合計1GB以下(2枚でひとつのファイルにまとめること)
・ 応募作品提出時に事前に受け取った登録番号を電子ファイルの名前として使用して下さい。
(例:skc0000.pdf)応募方法
登録完了メールで指定されたアドレス宛に以下の形式でお送り下さい。
①メールタイトルは「登録番号(半角英数)/新建築住宅設計競技2022応募案」
②応募作品を添付(ファイル容量にご注意下さい。規定外の作品は審査対象外となります。)
③メール本文には、登録書類:登録番号・応募者全員の氏名、年齢、職業/代表者の住所、電話番号、ファックス番号、e-mailアドレス、設計主旨(250ワード以内)を順に記入してください。
注意)応募締切間際は回線の混雑が予想されます。お早めの応募をお願いします。
なお回線混雑による提出遅れにつきましては対応しかねますのであらかじめご了承下さい。入選発表
月刊『新建築』2023年3月号(2023年3月1日発売)、および月刊『a+u』2023年4月号(2023年3月27日発売)、同誌デジタルデータ、当WEBページを予定しています。
その他
・応募作品の著作権は応募者に帰属しますが、出版権は新建築社が保有します。
・応募作品は入選・選外に関わらず、当WEBページに掲載されることがあります。
・応募要項についての質問は一切受け付けません。要項に書かれている範囲内で応募者が 各自判断してください。
・応募作品は未発表のものに限ります。応募作品の一部あるいは全部が、他者の著作権を 侵害するものであってはいけません。また、雑誌や書籍、WEBページなど、著作物から 複写した画像を使用しないこと。著作権侵害の恐れがある場合は、主催者の判断により入 選を取り消す場合があります。
・受賞作品につきましては、掲載時に新たに応募データを送っていただきます。
・応募に関する費用はすべて応募者が負担してください。
・応募作品は各自で内容を確認の上、お送りください。応募後の作品差し替えは不可とします。
・文字化け、リンク切れにご注意ください。リンクファイルは埋め込みとしてください。
・規約に反するものは受理できない場合があります。
審査員
吉村有司審査員
愛知県生まれ/2001年〜渡西/ポンペウ・ファブラ大学情報通信工学部博士課程修了/バルセロナ都市生態学庁、カタルーニャ先進交通センター、マサチューセッツ工科大学研究員などを経て2019年〜東京大学先端科学技術研究センター特任准教授。
結果
1等
「喜」「怒」「哀」「楽」と「感情予報」
直井功(鹿島建設,日本)
2等
まちにキッチンをおいてみる
ひとつの機能がどれだけの役割を都市に付与できるのか
藤井玄徳+富樫由美(マーマル建築設計事務所,日本)
3等
──2084年 日本
道家浩平+石黒翔也(日建設計)+小松航樹(日建設計総合研究所,日本)
佳作
@Watering City
永田琴乃+石本明子+村上奈々子+伊藤聖吾(竹中工務店,日本)
佳作
治水まちづくり
松野祐太(小野寺康都市設計事務所)+渡部美香(三菱地所設計,日本)